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火をともした和ろうそく。風に強く、明るく力強い炎が特長だ=2024年11月7日、石川県七尾市一本杉町、波絵理子撮影

 火をつけるとなめらかな炎が揺らめき、空気も心もとろけるようだ。

 「和ろうそくは穏やかな面もあるし、力強い面もある。小さく、燃焼時間は30分ほどなので、タイマー的な使い道もあります」

 1892(明治25)年に石川県七尾市で創業した高澤ろうそく店を営む高澤商店の5代目社長、高澤久さん(51)はそう話す。

 石油由来のパラフィンワックスを使う洋ろうそくと違い、和ろうそくはロウも芯も植物由来だ。

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ハゼの実(上)と実から絞ったロウ。和ろうそくの材料になる=2024年11月7日、石川県七尾市一本杉町、波絵理子撮影

 筒状にした和紙にイグサの灯芯を巻き、真綿をうすく巻き付ける。それを型に挿し、主にハゼの実からとったロウを温めて流し込み、冷えたら取り出す。火をつけると中心の空洞が常にロウと空気を取り込むため、風に強く明るい炎になる。

 江戸時代に製造が盛んになり、仏事のほか、照明としても暮らしに欠かせなかった。

 七尾と和ろうそくの歴史は1…

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